生産技術本部の生産現場で働く「定年後再雇用者」に対し、会社は「給料は25万円から20万円に減ります。賞与は従来と同じく夏・冬共に30万円ずつ支給します。」と、この4月から契約更新(1年契約)する再雇用者に説明しています。
給料の比較で言えば、毎月5万円減額(20%賃下げ)になります。さらに正社員と同様に食事手当がなくなり、福祉厚生補助手当(SWANポイント)も4万円から3万円へと1万円(100ポイント)減額されます。来年はポイントはゼロです。ある人は賞与も半額で年収で120万円減額になります。
労基法では会社の都合で給料を引き下げたり、各種手当てを減らすなど労働者にとって「不利益変更」を行うことは原則として「禁止」されています。会社が勝手に給料を引き下げたり、各種手当を廃止するということは法律上許されていません。
許されるのは、会社が赤字続きで存続が危ぶまれる状態などで人員整理(リストラ)しても仕方がないということであれば、賃金引き下げを行っても違法となりません。
つまり客観的に見て止む得ない場合に限り、正式な手続きを踏んでいれば違法になりません。ただ「不利益変更」には、客観的に見て止む得ないという合理性が必要です。
@会社は純利益で271億円と前年より71億円の増益です。A賃金の引き下げが社員全般ではなく、定年後再雇用者の一部の職場労働者(職群)に限られている。B仕事は定年前と同じ質・量であり、定年後に労働時間が短かったり、居てもいなくてもいいようなものではありません。
どの項目を見ても、「不利益変更」の合理性はありません。
会社は将来の経営危機を言っていますが、その危機感を持つ経営陣が先頭を切って給与の大幅な減額をするべきで、下層の労働者にそれを押し付けるべきではありません。ましてや、定年後再雇用者は賃上げがあるわけでも、将来があるわけでもありません。
また会社は賃下げのみならず、定年後も働きたい労働者に対して再雇用の説明をしなかったり、「この職場では再雇用者は要らない。」と初めから雇うつもりがないようなことを言っている部署もあります。年金の受給時期が年々延び、65歳でないと満額もらえません。そしてあと10年経つと65歳以上でないと年金が全然もらえません。
シオノギ労働組合が定年後再雇用者の労働条件悪化を阻止しようとしない中で、自らの事は自ら守る闘いに立つべき時期に来ているのかもしれません。
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