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大学の授業料無償化と給付制奨学金の実現を!
                         
一赤旗読者

 この春、シオノギにも多くの若い人たちが入社されました。それぞれ、希望に胸をふくらませていらっしゃることでしょう。
 そのようなみなさんの中で、貸付奨学金の返済で苦労をされている方はいらっしゃらないでしょうか。
 下表を見て下さい。これは、いま開かれている国会で、日本共産党の宮本岳志議員が、日本の大学の異常 な高学費を告発し、学費負担軽減のための予算拡充と給付制奨学金を実現するよう求めたときに使った表です。

OECD(経済協力開発機構)加盟34ヵ国の大学の授業料無償化と給付制奨学金の有無を示しています。(○は有り、×は無し)私も、大学の授業料が無償化されている国があることは知っていましたが、こんなに多くの国が実施していることを知ってびっくりしました。
 また、授業料無償化が実現していない国でも、返済の必要のない給付制奨学金の制度のある国がほとんどです。OECD加盟国以外を調べたら、もっとあるかもしれません。

OECD加盟

34カ国

授業料

無償化

給付制

奨学金

OECD加盟

34カ国

授業料

無償化

給付制

奨学金

スウェーデン

オランダ

×

ノルウェー

アメリカ合衆国

×

フィンランド

イギリス

×

ハンガリー

スペイン

×

フランス

ニュージーランド

×

ポーランド

ベルギー

×

スロベニア

ポルトガル

×

オーストリア

イスラエル

×

ドイツ

チリ

×

エストニア

スイス

×

デンマーク

オーストラリア

×

ギリシャ

カナダ

×

チェコ共和国

トルコ

×

アイルランド

メキシコ

×

スロバキア

イタリア

×

ルクセンブルグ

韓国

×

アイスランド

×

日本

×

×

宮本議員が告発・指摘し、要求した内容など

 日本政府は2012年9月、大学まで段階的に学費を無償にすることを取り決めた国際人権規約の条項を23年ぶりに受け入れたにもかかわらず、日本の学生支援はいかにも貧困である。表に示したように、OECD加盟国の中で「授業料無償化」と「給付制奨学金」がないのは日本けではないか。

<下村文科相の答弁>
「おおむね、その通り」

 2012年度の私立大学の平均授業料が年約86万円(入学金などを含む初年度納付金は約131万 円)、国立大学の初年度納付金も標準で約81万円かかる。
 諸外国と比べて、日本の大学の学費が異常に高い背景には、政府の大学教育にたいする予算があまりにも少ない現状がある。減らされ続けてきた国立大学運営費交付金と私学助成を抜本的に拡充することを求める。

 文科省と日本学生支援機構の調査によれば、学費の高騰化で、1996年度に奨学金を借りていた学生(昼間部)は2割だったのが、2010年度では5割以上になっている。その結果、大学の学部卒で300万円、大学院博士課程まで進めば1000万円の借金を背負わされる。
 政府も、学生が卒業後も「厳しい経済状況におかれている」と認めているではないか。
 新年度(2014年度)予算案には、高校生向けの「給付制奨学金」(28億円)が盛り込まれた。大企業には8千億円もの復興特別法人税を前倒し廃止、米軍への思いやり予算に何千億円も出しながら、学生向けの給付制奨学金は84億円もあれば実現できるのに出さない。これでは若者の未来は守れない。
  自民党は2012年総選挙時に、「給付型奨学金の創設に取り組む」と公約していたではないか。

<安倍首相の答弁>
 「今後、財源を確保して上で給付型を検討していく」

 学費や奨学金をめぐってのこのようなことを、新入社員のみなさんはどう思われるでしょうか。返済の苦労のない人でも、授業料を出されたのはたぶん親御さんでしょうから、それはそれで大変だったでしょうね。
 宮本議員が示したのは、授業料無償化は世界の流れだということです。
  私はこのことをもっと多くの国民が知って考えていくべきだと思っていますが、いかがでしょうか。

 


  

 

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