第1回のテーマ
概要「日本共産党の紹介」シリーズ(2)

この連載の最初(1)の中で、日本共産党は、科学的社会主義を理論的基礎として「綱領」と「規約」で明記していることを紹介しました。今回からは、その綱領について紹介していきたいと考えています。日本共産党綱領は、戦前の中での活動、それを経た戦後の日本の現状とその中での闘いの活動の目標と根本的方向、そして最後には、未来社会への展望を明らかにしています。

日本共産党綱領の構成

第1章.戦前の日本社会と日本共産党
第2章.現在の日本社会の特質
第3章.世界情勢――二〇世紀から二一世紀へ
第4章.民主主義革命と民主連合政府
第5章.社会主義・共産主義の社会をめざして    から成り立っています。

綱領はなぜ、戦前の歴史から始まるのか

1.戦前の歴史が、日本共産党の活動にとって原点とも言えるべき位置を示していること。
 「戦前の歴史が世界の資本主義諸国の中でも、最も野蛮な抑圧の下にあった戦前の日本社会で、どんな搾取も抑圧もない未来社会の建設をめざし、天皇制の専制支配と侵略戦争に反対して、平和と民主主義のために勇敢に闘い抜いた不屈の記録であり、言語に絶するその闘いの犠牲者の中には、党中央の指導者たちとともに、20歳代の若い生命をこの事業に捧げた青年たちなど多くの人々の名前が刻まれています。

 
いかなる苦難の情勢に直面しても『国民が主人公』の信条を貫き、平和と民主主義の日本、そして人間解放の未来社会をめざす党の旗を掲げ続けた先輩たちの精神は、今日の新しい情勢の下でも固く受け継がれなければならないものであります」(『綱領報告集』11〜12p)

2.戦前の日本社会とそこでの日本共産党の闘いをよく知らないと、今の問題が明確に深く理解できないこと。
 「なぜ日本は『ルール無き資本主義』か」いう問題をとっても、「日本の軍事増強や海外派兵がなぜ特別に問題になり、アジア諸国の強い拒否反応を引き起こすのか」、あるいは「なぜ日本が世界でただ一つ憲法の平和条項(第9条<戦争の放棄・戦力および交戦権の否認>)を持っているのか、なぜ日本共産党がその擁護を中心任務として掲げるのか」という問題をとっても、さらには「日本共産党の野党外交になぜ多くの国々の信頼と共感が寄せられるのか」についても、全て、戦前の日本社会と日本共産党が経てきた歴史を認識して初めて理解できることです。

 「日本の未来を開く先頭にたつものは、過去の日本が侵略戦争と植民地支配によって、アジアと世界に大きな損害を与えたことをはじめ、戦前の日本社会が経てきた歴史について、深い認識を持つ必要があります」(「綱領報告集」13P)とも示しています。(次回は、第一章の概要紹介と思っています)。 

  ○関連リンク先





バナー