第1回のテーマ
概要「日本共産党の紹介」シリーズ(13)


日本共産党綱領 第3章 世界情勢――二〇世紀から二一世紀へ(第2回)

第8節では、社会主義の流れについて、1917年のロシア10月革命から今日までの歴史の全体を振り返る形で、分析を加えています。 以下に8節の、冒頭部分と最終の段落を示しておきます。
 「資本主義が世界を支配する唯一の体制とされた時代は、1917年にロシアで起こった10月社会主義革命を画期として、過去のものとなった。第二次世界大戦後には、アジア、東ヨーロッパ、ラテンアメリカの一連の国々が、資本主義からの離脱の道に踏み出した。
 最初に社会主義への道に踏み出したソ連では、レーニンが指導した最初の段階においては、おくれた社会経済状態からの出発という制約にもかかわらず、また、少なくない試行錯誤をともないながら、真剣に社会主義をめざす一連の積極的努力が記録された。しかし、レーニン死後、スターリンをはじめとする歴代指導部は、社会主義の原則を投げ捨てて、対外的には、他民族への侵略と抑圧という覇権主義の道、国内的には、国民から自由と民主主義を奪い、勤労人民を抑圧する官僚主義・専制主義の道を進んだ。「社会主義」の看板を掲げておこなわれただけに、これらの誤りが世界の平和と社会進歩の運動に与えた否定的影響は、とりわけ重大であった。……
 今日、重要なことは、資本主義から離脱したいくつかの国々で、政治上・経済上の未解決の問題を残しながらも、『市場経済を通じて社会主義へ』という取り組みなど、社会主義をめざす新しい探求が開始され、人口が13億を超える大きな地域での発展として、二一世紀の世界史の重要な流れの一つとなろうとしていることである。」

 「分析」における重要な二点
1・ソ連の評価の問題――最初に社会主義への道に踏み出しながら、スターリン以後、変質の過程をたどり、ついに崩壊に至った歴史をどう評価するか――ソ連が覇権主義の誤りによって、世界に害毒を流してきただけでなく、ソ連社会の体制そのものも、社会主義とは無縁な、人間抑圧型の社会であったという結論的な認識を明らかにしています
2・上記に示した8節の最後の段落の文章が示している、「社会主義をめざす新しい探求が開始され……」は、社会主義への前進をめざす努力に注目したものです。 

「社会主義をめざす」との呼称について
 その国の人民、あるいは指導部が社会主義を目標として掲げている、という事実を示しているだけで、これらの国々が、社会主義社会に実際に向かっているという判断を示すものではない、その国の実態が何かという問題は、国ごとの個別の研究と分析によって、明らかにすべき問題として解明し、「社会主義をめざす国」という表現は避け、これらの国を総称する時には「資本主義から離脱した国」あるいは、「離脱に踏み出した国」と呼ぶようにしています。

なお、「北朝鮮」については、当然の事ですが日本共産党は「社会主義をめざす」国とは見ていません。

次回は、第節として、世界資本主義の現状分析について、取り上げる事にします。

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