第1回のテーマ
概要「日本共産党の紹介」シリーズ(25)

日本共産党綱領 第5章 
社会主義・共産主義の社会をめざして(第6回)

党綱領未来社会論
(2)人間社会はどう変わるか
人間の全面的発達が社会の大目標となる
 党綱領は、生産手段の社会化によって、人間社会にどんな変化が起きるかを、三つの角度から描き出しています。
 第1は、人間の生活とその条件に、根本的な変化が起きること。
 「生産手段社会化は、人間による人間の搾取を廃止し、すべての人間の生活を向上させ、社会から貧困をなくすとともに、労働時間の抜本的な短縮を可能にし、社会のすべての構成員の人間的発達を保障する土台をつくりだす」。
 同時に重要なことは、生産労働と同時に、社会の知的分野の活動にも参加し、自分の持っている人間的な能力を自由に発達させる機会と条件に恵まれるようになります。
 カギとなるのは「労働時間の短縮」です。搾取がなくなり、労働能力のある社会の全ての構成員が生産活動の一部をになうようになれば、それだけでも、労働時間の抜本的な短縮が可能になる、さらに利潤第一主義から解放された新しい社会では、生産力が発達すれば、そのことを労働時間の一層の短縮に結びつけることが出来るはずです。
 第2は、経済のあり方、生産力の発展の面です。
 「生産手段の社会化は生産と経済の推進力を資本の利潤追求から社会および社会の構成員の物質的精神的な生活の発展に移し、経済の計画的な運営によって、くりかえしの不況を取り除き、環境破壊や社会的格差の拡大などへの有効な規制を可能にする」事になります。
 利潤第一主義ではなく、社会と人間生活の発展が経済の推進力となり、社会や地球の全体的な利益を考えた経済の計画的・合理的な運営となり、「社会的理性」(社会的な集団的知性)が働くでしょう。
 
第3は、人間社会を支える物質的生産力の発展の分野での変化です。
 「生産手段の社会化は、経済を利潤第一主義の狭い枠組みから解放することによって、人間社会を支える物質的生産力の新たな飛躍的な発展の条件をつくりだす」事になります。
 資本主義社会は、利潤第一主義の中で生産力発展の推進力の役割を果たしてきた反面、多くの分野・領域で果てしない経済の浪費を生み出しました。ムダな大型プロジェクトを全国に横行させた、自民党流の公共事業政策は、資本主義的浪費の典型でしょう。使い捨て・買い換えをうたい文句に世界をごみの堆積場に変えていく大量生産・大量消費の体制も浪費の典型で、現代の大問題ともなってきています。
 浪費をなくすことは、新しい社会に、生産力をさらに効率的に発展させる力を与えるでしょう。
 さらに未来社会が、人間の知的・精神的・文化的な発展の新しい時代―科学・技術の発展の新時代をひらくことになるでしょう。

 世界的にも、貧富の拡大、地球環境問題、科学技術の軍事利用問題等々、一部の強力な支配者による政治・経済がもとになっていることと対比してみると、次の世代には乗り越えて起きたいものです。

次回はこの節の続きで「民主主義と自由など価値ある成果の発展的な継承」としたいと思います。

  ○関連リンク先





バナー