第2回のテーマ
日本共産党への「疑問・質問に答える」シリーズ

「疑問・質問に答える」シリーズ(第4回)

Q:社会主義はもう古いのでは?

いま輝く科学的社会主義の生命力

A:もともと社会主義は、資本主義の発展に伴って広がる悲惨な現実を何とかしなければと始まった思想、運動です。
 「科学的社会主義」とは、「空想的社会主義」に対応する言葉ですが、先達たち、フランス人のサン・シモン(1760~1825年)、フーリエ(1772~1837年)とイギリス人のオーエン(1771~1859年)の代表的な「空想的社会主義者」3人による未来社会論・社会主義論が「空想的社会主義」です。
 しかしながら、その理論には共通する大きな問題点があり、理想とする未来社会―現実にある矛盾や不合理を乗り越えた社会を、自分の主観的な願望から出発して描き出した点にあります。
 より高度な社会を生み出すよりどころがいったいどこにあるのか、社会の中のどういう勢力が中心になるのかなど、科学的な見通しについては何一つ示せなかったところに弱点があります。
 そうした中で、いわば先達たちの未来社会論を科学の基礎の上に据えなおしたところに、「科学的社会主義」の創始者であるマルクス、エンゲルスの画期的な業績があったのです。

未来社会-資本主義の矛盾を克服し、人間の全面的な発展が目標
 日本をはじめ世界の資本主義は大きく発展し、巨大な生産力を実現しました。人々の生活水準は格段に向上し、とても考えられないほど便利になったことも間違いありません。同時に、格差と貧困は拡大し、不況や失業もなくならず、公害や資源の浪費によって、地球的規模で環境が破壊されるなど、資本主義が生み出す矛盾は一層深刻化し、今や資本主義体制の存続が問われるまでになっています。
 現在の資本主義世界がぶつかっている矛盾の大本には、「もうけのためなら、あとは野となれ山となれ」という、「利潤第一主義」があります。
 長時間・過密労働で若い労働者が過労死したり、使い捨てられる非正規労働者の増加、大量生産、大量消費、大量廃棄といった浪費が繰り返されるのも、その大本にこの資本主義の魂があるからです。

 今年1月に日本共産党は第28回党大会を開き、綱領の一部改定を行いましたが、「巨大に発達した生産力を制御できないという資本主義の矛盾」として現れているものとして七点示しました(①広範な人民諸階層の状態の悪化②貧富の格差の拡大③繰り返す不況と大量失業④国境を超えた金融投機の横行⑤環境条件の地球的規模での破壊⑥植民地支配の負の遺産の重大さ⑦アジア・中東・アフリカ・ラテンアメリカの国々での貧困)。
 そのうえで、「貧富の格差の世界的規模での空前の拡大」「地球的規模で様々な災厄をもたらしつつある気候変動」の二つを、世界的な矛盾の焦点として特記し、この二つの大問題について、「資本主義体制が二一世紀に生き残る資格を問う問題となっており、その是正・抑制を求める諸国民の戦いは、人類の未来にとって死活的意義を持つ」と指摘しました。
 
 高度に発達して資本主義国である日本ほどの高い生産力があり、民主主義の経験を積んだ国が、社会主義の道に進むならば、労働時間の短縮、生活向上の点でも、自由と民主主義という点でも計り知れない豊かな可能性があります――未来への展望を示す科学的社会主義の生命力は、いまこそ輝いています。 

 次回は、「共産党って、画一的で、自由に意見が言えないのでは?」について取り上げる予定です。

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