第2回のテーマ
日本共産党への「疑問・質問に答える」シリーズ

「疑問・質問に答える」シリーズ(第6回)

Q:「中国脅威」論が言われていますが、今日の中国をどう見ていますか?

A:最近の中国の大国主義・覇権主義的行動をとらえて疑問を持たれていることと思いますが、対外的な問題では、東シナ海における中国の行動のエスカレートは、2019年の1年間で、中国公船による尖閣諸島周辺の領海侵犯を含む接続水域入域は、延べ隻数で1097隻を数え、前年の1.8倍に達しています。
 また、香港における人権侵害の問題として自由と民主主義を求める香港市民の活動に対する殺傷性の高い銃器を使用して弾圧すること(中国の最高指導部の承認と指示のもとに行われている)は、「人権を擁護し発展させる」という国際的課題からみて、懸念されることは当然でしょう。

 日本共産党は、3年前の第27回党大会(2017年)で、すでに「新しい大国主義・覇権主義の誤り」が表れていることを指摘してきました。そして、「誤りが続き、拡大するなら、『社会主義の道から決定的に踏み外す危険』が現実のものになりかねないと警告するとともに、『誤りを真剣に是正し、国際社会の信頼を得る大道に立つことを求める』と表明」もしてきました。
 今年年初の第28回党大会では、残念ながら3年前の指摘から一層深刻にする行動をとっている事実から、中国の党は「社会主義」「共産党」と名乗っていますが、その大国主義・覇権主義、人権侵害の行動は「社会主義」とは無縁であり「共産党」の名に値しないと、わが党の綱領上も誤解の余地なく明瞭にしました。

「社会主義・共産主義」に値しないと判断した4点
1.核兵器廃絶に逆行する変質が一層深刻になっている――国連で2017年に核兵器禁止条約が圧倒的多数で採択された際にも、米英仏ロとともに反対し、核兵器廃絶を先送りする立場に変質した。
2.東シナ海と南シナ海での覇権主義的行動が深刻化していること。
3.国際会議での民主的運営を踏みにじる横暴なふるまい、日中両党で確認された原則に背く行動について、是正する態度がとられなかったこと。
4.香港やウイグル自治区などで、人権侵害が深刻化していること。

中国とどう向き合うか――三つの点について(内政不干渉の原則を守りながら、率直に意見を伝える)
 中国に現れた誤りについて厳しい批判を貫くが、その際に三つの姿勢を堅持してます。

1.中国「の脅威」を利用して、軍事力増強を図る動きには断固として反対します。それは軍事対軍事の危険な悪循環をもたらすことになります。わが党は事実と道理に立って言うべきことをいう冷静な外交努力によって、問題を解決すべきだという立場を、揺るがず貫きます。

2.日本共産党は、中国指導部の誤った行動を批判しても、「反中国」の排外主義を煽り立てること、過去の侵略戦争を美化する歴史修正主義には厳しく反対を貫きます。自国の過去の誤りに真摯に向き合ってこそ、未来に向けた真の友情をつくることができる。これは、わが党の対アジア外交の揺るがぬ大方針です。

3.中国はわが国にとって最も重要な隣国の一つであり、わが党の批判は、日中両国、両国民の本当の友好を願ってのものであり、節度を持って言うべきことを言ってこそ、両国、両国民の真の友好関係を築くことができる。これが私たちの確信です。

日本共産党が「道理に立った冷静な批判」を行うことは、覇権主義への手痛い打撃となり、国際的な貢献にもなるとも考えています。

次回は、「綱領や理念が一致しない政党と共闘出来るの?」について考えてみましょう

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