第2回のテーマ
日本共産党への「疑問・質問に答える」シリーズ

「疑問・質問に答える」シリーズ(第8回)

Q:自衛隊についての日本共産党の考え方は? 野党連合政府でなくすの?

A:自衛隊政策――憲法を守ることと、国民の命を守ることを両立

 日本共産党は自衛隊について、「戦力不保持」を明記した憲法9条に違反していることは明らかですから、将来的に9条の完全実施、自衛隊解消の措置を取ることが必要だと考えています。
 ただし、長年にわたり自民党政治が作ってきた憲法と自衛隊との矛盾の解決が一朝一夕にできるとは思っていません。国民の理解と合意に基づいて、一歩一歩段階的に進めるという方針を掲げています。 

自衛隊の解消は、国民の圧倒的多数の賛成で
 最初の段階では、海外派兵立法をやめ、軍縮の措置をとる方向で進み、その後、国民的合意に基づいて安保条約を廃棄しますが、その時点では「自衛隊は必要」と考える国民が多数という状況でしょう。しかし、安保条約の廃棄で、独立・中立となった日本が、世界やアジアのすべての国々と平和・友好の関係を築いていく結果、日本を取り巻く平和環境が成熟し、国民の圧倒的多数が「もう自衛隊がなくても大丈夫だ」と思うようになって初めて、憲法9条の完全実施、すなわち自衛隊解消に向けた本格的な措置に着手することを明らかにしています。
 日本共産党は「綱領」の第4章「民主主義革命と民主連合政府」のなかの13節で、「現在、日本社会が必要とする民主的改革の主要な内容は、次のとおりである」として、その3項で、「自衛隊については、海外派兵立法をやめ、軍縮の措置をとる。安保条約廃棄後のアジア情勢の新しい展開を踏まえつつ、国民の合意での憲法第9条の完全実施(自衛隊の解消)に向かっての前進をはかる」と明記しています。 

 安倍首相はじめ、政府与党は、憲法9条を踏みにじり、国民多数の反対を押し切って安保法制=戦争法を強行採決しました。日本共産党の自衛隊政策に対し、「自衛隊は違憲だけれども、何かあれば命を張って守ってくれというのはあまりにも無責任」だと言っていますが、自衛隊員を「殺し殺される」危険にさらし、「海外で戦争する国」づくりを許すのかどうかという、現在直面している争点を覆い隠すためのものに他ならないのではないでしょうか。憲法を守らず、自衛隊員の命を顧みない立場こそが問われていると考えます。

野党連合政権で違憲の立場を持ち込まない
 私たちは今、安倍政権を打倒し、自民党政治を終わらせて野党連合政権を作ることを目指しています。この連合政権が最大の課題として取り組むのは、安保法制=戦争法の廃止と、立憲主義の回復です。つまり自衛隊については戦争法成立以前の状態に戻して存続させるということです。
 日本共産党は市民と野党による共闘の一致点を何よりも大切に考えて、連合政権に自衛隊違憲という党としての独自の立場を持ち込むことはしません。綱領や将来像が違う政党同士が連合政権を組むということは、違いは横において、国民の願いにこたえて一致できるところで政府をつくるということであり、よりよい政治を行う上で当たり前のことだと考えます。 

次回の予定は、「“日本共産党は、北朝鮮と同じ”という人がいますが…」について述べたいと思います。

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