日本共産党100周年
その歴史は今に生きる力を発揮

 

この間の参議院選挙では、たいへんお世話になりありがとうございました。
 残念ながら、みなさんの期待に応えることが出来ず、後退の結果となりました。今後党内外のみなさんの声をよくお聞きし、これからの活動に備えていきたいと考えています。何より日本を戦争する国にする「9条改憲」阻止、そして暮らしを守る運動に力を尽くしていきます。
 さて、日本共産党はこの7月15日で創立100周年を迎えました。志位和夫委員長が記者会見(14日)し、「日本共産党の歴史は、今に生きる力を発揮している-党創立100年にあたって」(談話)を発表しました。
 以下に、赤旗日曜版(7/24日号)から、そのポイントを紹介します。

 日本共産党の100年は、日本国民の利益を擁護し、平和と民主主義、自由と平等、社会進歩をめざして、その障害になるものに対しては、それがどんなに強大な権力であろうと、勇気をもって正面から立ち向かってきた歴史です。100年を貫く歴史には、次のような特質があります。
  ―どんな困難なもとでも決して国民を裏切らず、社会進歩の大義を貫く不屈性
  ―科学的社会主義を土台に常に進めてきた自己変革
  ―常に国民との共同で政治を変える姿勢
  これらの特質は過去にとどまらず、今に生きる力を発揮しています。とくに4点をあげます。
 

憲法に実ったたたかい
戦前に命がけで侵略戦争反対  今も「翼賛政治」の危険と対決
 第一は、日本国憲法に実った戦前のたたかいです。
 戦前戦後、一つの名前で活動する政党は共産党だけです。他の党は太平洋戦争に向かう時期に党を解散し「大政翼賛会」に合流して侵略戦争を推進。戦後の再出発には名前を変えざるを得ませんでした。
 日本共産党は暗い時代にあっても国民主権と反戦平和を掲げて不屈にたたかい、多くの党員が迫害で命を落としました。その主張は戦後“政府の行為によって戦争を引き起こしたことへの反省”と国民主権を明記した日本国憲法に実りました。
 いまロシアの蛮行に乗じて“軍事力増強”“9条改定”が叫ばれ、新たな「翼賛政治」の危険が生まれています。日本共産党は100年の歴史に立って、平和と民主主義を壊す逆流と正面からたたかい、打ち破るために全力を挙げます。

覇権主義とのたたかい
旧ソ連や中国やアメリカでも  どんな国であっても許さない
 第二は、どんな国であれ覇権主義を許さないたたかいです。
 党の最大の危機は1950年、旧ソ連のスターリンなどが行った乱暴な干渉で、党が分裂したことです。この危機を乗り越える課程で“自国の運動は自らの頭で考え、どんな大国でも干渉・覇権はゆるさない”という路線(自主独立の路線)を確立しました。これは党の先人が成し遂げた巨大な自己改革です。
 1960年代には旧ソ連と中国・毛沢東派の双方から無法な覇権主義の干渉が行われましたが、どちらもはねのけ干渉の誤りを認めさせました。世界のなかで、二つの大国に誤りを認めさせた党は日本共産党以外に存在しません。
 旧ソ連のチェコスロバキア侵略やアフガニスタン侵略などの覇権主義にも「社会主義とは無縁」と厳しく批判。ソ連共産党が解体(1991年)したさいは「もろ手をあげて歓迎する」という声明を発表しました。こうした声明を発表した党も、世界に日本共産党一党といっても過言ではありません。
 どんな国であれ覇権主義を許さない日本共産党の立場は、ロシアや中国の覇権主義が深刻になっている今、いよいよ重要です。
 何よりこの立場は、世界の中でも異常な「アメリカ言いなり」で際立つ、対米関係において特に重要です。従属の根源にあるのが日米安保条約です。「日米同盟の強化」の動きが強まるもと、安保条約を国民多数の合意で解消し、対等・平等・友好の日米関係をつくることを日本改革の中心に据える共産党の立場はいよいよ重要です。
 “どんな国であれ覇権主義的な干渉、戦争、抑圧、支配を許さず、平和の国際秩序を築く”-。党綱領に明記された立場にたち、今後も国連憲章に基づく平和の国際秩序をつくるために全力をあげます。

国民と共同し社会変革
綱領の大方針を堅持して奮闘  「反共の壁」を崩した野党共闘
 第三は、国民の共同の力で社会変革を進めるという立場です。
 “選挙による国民多数の合意で社会変革を進め、社会発展の全ての段階で国民共同の力(統一戦線)で社会変革を進める”-。党綱領に明記した大方針です。
 この方針に基づく奮闘で1960~1970年代には全国各地に革新自治体が広がり、一時期は総人口の43%が革新自治体のもとで暮らすまでになりました。ところが、社会党と公明党が日本共産党排除の「社公合意」(1980年)を交わし、この流れが断ち切られ、政界で日本共産党を無きものとして扱う「反共の壁」がつくられました。この困難な状況のもと、党と無党派との共同-革新懇運動に粘り強くとりくみました。
 この時期に経済政策では労働や社会保障などあらゆる分野に弱肉強食の新自由主義が持ち込まれました。外交・安保政策では自衛隊の海外派兵が進み、2015年の安保法制では、歴代政府が「違憲」としてきた集団的自衛権の行使も可能にするなど、立憲主義・平和主義・民主主義の乱暴な破壊が行+われました。
 この「反共の壁」を崩したのが2015年以来の市民と野党の共闘です。全国規模の野党共闘で成果を上げる一方で、昨年の総選挙以降、危機感を募らせた支配勢力の激しい攻撃や妨害に遭遇します。政治を変える道は共闘しかありません。日本共産党は困難があってもそれを乗り越え、国民の共同の力で社会変革を進めるという党綱領の大方針を堅持して奮闘します。

社会主義・共産主義掲げ
気候危機や貧富の格差の拡大  資本主義を乗り越える大目標
 第四は、共産党が社会変革の大目標に社会主義・共産主義を掲げ続けてきたことです。
 人類の歴史を資本主義で終わりとする立場にたたず、資本主義を乗り越えて社会主義・共産主義社会をめざすことを党の大目標として掲げてきました。
 気候危機や貧富の格差の劇的増大-。地球的規模での資本主義体制の深刻な矛盾は誰の目にも明らかで、「この体制を続けていいのか」という問いかけが広がっています。
 旧ソ連崩壊後、中国の覇権主義や人権侵害をとらえた「社会主義否定論」があります。これらが起こった根底には、社会主義とは無縁の暴政を行った指導者の誤りとともに、経済発展でも自由と民主主義という点でも「遅れた国からの革命」という出発点の問題がありました。
 高度に発達した資本主義国の日本ではそうした誤りは起きないし、絶対に起こしません。資本主義のもとでつくられた自由、民主主義、人権の諸制度を引き継ぎ、発展させ、花開かせる。これは党綱領で固く約束しています。
 “発達した資本主義国での社会変革は、社会主義・共産主義への大道”-。党綱領にも明記したこの立場は、人類未踏の特別の困難性を持ちつつも、豊かで壮大な可能性をもつ、新しい開拓と探求の事業です。21世紀を搾取も抑圧もない共同社会への建設に向かう人類史的な前進の世紀とすることを目指して力を尽くします。日本共産党の党名はこの大目標と固く結びついています。この名前を掲げ、新たな躍進を勝ち取る決意です。

  ○関連リンク先





バナー