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大問題!「解雇の金銭解決制度」
                                                   一ホームページ読者


 私たち働くものにとって大きな問題のある安倍政権による「働き方」改革がすすめられようとしていますが、もう一つ、大きな問題のある制度として、「解雇の金銭解決制度」が検討されているのをご存じでしょうか。  
 2003年と2005年の過去2回導入が検討されながら、労働者側の強い反対で実現しなかったものを、3回目の今回は少し目先を変え、「新たな制度」と銘打って、今夏から厚生労働省の労働政策審議会で法改定に向け、本格的な審議に入るものです。

 以下に、「しんぶん赤旗」日曜版(72付)に載った、牧野富夫氏(労働総研顧問)の解説記事からどこに問題点があるかを抜粋して紹介します。今後、注視していきましょう。

 今回の制度案(厚労省の検討会がまとめたもの)の新しい点は何でしょうか。
 大きな変更点は、解雇された労働者が職場復帰をあきらめる代わりに、解決金の支払いを要求できるようにする、ということです。
 これにより、リストラ攻勢で不当解雇が横行しているもとで、小さな解決金で会社を辞めさせられる労働者が急増することは必定です。政権や財界が戦略的に追求している「雇用の流動化」(解雇しやすくして企業の使い勝手がよい働かせ方に変えること)が大きく加速される、ということです。労働側は「労働者に退職を迫るリストラの手段として利用される」と批判しています。

 財界が金銭解決制度に執着するのは、リストラ手段として利用価値が高いからですが、それだけではありません。人材派遣大手パソナの南部靖之代表は編著書『これから「働き方」はどうなるか』で、「“一企業に所属する=一生安泰”であった時代は、いまは昔。何よりも国民全体の意識という“お盆”をひっくり返すような、大きな意識改革が必要」と強調しています。
 企業を転々とするのが当たり前、終身雇用なんか博物館入りだという「新しい文化」を植え付けるためのマインドコントロール、という側面も強いでしょう。
 要するに、政府・財界は「金銭解決制度」つまり「解雇の自由化」は、「雇用の流動化」=「搾取対象の効率的配分」実現へのエスカレーターであり、とくに「国民的な意識改革」のテコだとみているようです。ですから、制度のあれこれだけでなく大局をおさえ、過去2回同様、反対運動を大きく発展させ、「金銭解決制度」なる妖怪が再登場できないよう葬り去ることです。
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