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ホワイトカラー・エグゼンプションってなあに?

「労働時間規制の適用除外=ホワイトカラー・エグゼンプション(事務労働者・除外)」は、残業代を払わずに何時間でも労働者を働かせたいと考える財界・大企業の総本山・日本経団連が6月に出した「提言」のひとつです。

 労働基準法に、「ホワイトカラーは労働時間規定の適用を除外する」という項目を設け、「一定の要件=年収400万円以上」の事務労働者は「地位、権限、責任、部下人数とは無関係」に労働時間規制の対象外にするという中身です。
 これでは、定刻になっても帰れず、夜なべしても残業代なし、過労死しても「自己責任」―こんな働き方になるということです。 

 日本共産党は1976年以来、ただ働き(サービス残業)を是正するよう、国会で240回余も主張してきました。その結果、厚生労働省が2001年4月6日付でサービス残業根絶の通達を出し、これを力に労働者の申告が相次ぎ、トヨタなど主要企業が不払い残業代を支払わされました。このため、財界はこの通達を敵視し、直後から反撃を開始して「ホワイトカラー・エグゼンプション」を提言したものです。


 この日本経団連の「提言」を受けて、9月12日、厚生労働省の「今後の労働契約法制の在り方に関する研究会」が最終報告を取りまとめました。この「研究会報告」は次のような問題があります。
 1.労働者の健康と命を奪う「労働時間規制の適用除外=ホワイトカラー・エグゼンプション    (事務労働者・除外)」
 2.「金で解雇を合法化」し、使用者の違法解雇を助長する「解雇の金銭解決制度」の創設
 3.使用者に一方的な労働条件の変更権を与える「雇用継続型契約変更制度」の導入
 4.労働組合の形骸化、権利破壊を招く「労使委員会制度」の法制化
 5.新卒労働者の使い捨てを助長しかねない「試行雇用契約」の新設

 これらの内容がこのまま盛り込まれるならば、到底、労働者のための労働契約法とはならず、使用者のための「リストラ促進法」といわざるを得ません。

(しんぶん赤旗および全労連の記事から)

サラリーマン大増税計画                                   

 政府税制調査会(首相の諮問機関)が打ち出したサラリーマン増税計画は、家計に重い負担を押しつけるもので、収入の少ない世帯により大きな負担増になります。

 現在実施されている定率減税、配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除を廃止し、給与所得控除を半減するというもので、政府の収入減を穴埋めするために一番手っ取り早く確実に取れるサラリーマンを狙い撃ちにしたものです。

 下表に見られるように年収が少ない世帯ほど増税比率が大きいものになっています。

 今、大企業は大もうけしていますが、そこで働くサラリーマンはその恩恵を受けているわけではありません。むしろ赤字の家庭だって多いわけです。

 大企業などが納める法人税は減税に次ぐ減税で40%→30%になっていますし、金持ちの税率も最高税率が50%→37%に減っています。

 政府は企業に増税すれば海外へ逃げられるが、サラリーマンは海外へ逃げないから増税しても心配ないと思っているようです。
 サラリーマンのみなさん!これでも黙って税金を納めますか?みんなで反対していきましょう。
                                                                                       

 年収


現行

税負担額

定率減税
廃止による
増税額

サラリーマン増税による
増税額

増税額の合計

増税後の納税額

増税後の
納税額の
対現行比

200

0.0

0.0

11.8

11.8

11.8

-----

300

0.8

0.1

24.4

24.5

25.3

33.1

400

7.4

1.6

32.5

34.1

41.5

5.6

500

16.0

3.5

38.5

42.0

58.0

3.6

600

25.5

5.6

50.9

56.5

82.0

3.2

700

37.7

8.2

60.7

68.9

106.6

2.8

800

52.1

11.1

68.9

80.0

132.1

2.5

900

72.9

14.3

70.4

84.7

157.6

2.2

1000

95.2

17.8

73.8

91.6

186.8

2.0

 (4人家族、単位・万円)

注)サラリーマン増税は、給与所得控除半減、配偶者控除と扶養控除廃止を仮定
人家族で、妻は専業主婦、子ども2人(1人は16〜22歳)。 
現行税額、増税額ともに所得税、住民税の合計。                                   しんぶん赤旗より

「昭和の日」法案に思う              

 昭和天皇の誕生日である429日を「昭和の日」とする法案が、自民、公明、民主の賛成多数で衆院を通過し、参院内閣委員会に付託され、513日強行採決し参院を通過、成立しました。

 この法案は過去2回廃案になっているものです。提出理由は、「この時代を象徴する429日を昭和を記念する『昭和の日』とする」としています。

しかし、昭和天皇は未曾有の惨禍をもたらした侵略戦争を推し進めた最高責任者であり、その人物の誕生日を記念日にするとは祝日法にも反するものです。

祝日法は憲法の精神にのっとり、その第1条では「自由と平和を求めてやまない日本国民がこぞって祝い、感謝し又は、記念する日」を国民の祝日にするとしています。

 この法律は19487月に当時の提案・趣旨説明では、祝祭日が「国民主権と自由平等と永久平和とを標榜」する憲法のもとで改訂に迫られたとのべ、この理念にたって「宮廷中心の祝祭日」の名前は否定されました

 そうです、もともと、神事または宮廷中心の祝い事だったのです。

 それで、連休を増やす経済界からの要望で、ハッピーマンデーと称し、それぞれのいわれをあっさり無視して日にち変更したのは、制定根拠が「神事または宮廷中心の祝い事」から遠そうな、成人の日(115日を1月第三月曜日)(体育の日101010月第三月曜日)海の日(7月20日7月第三月曜日)敬老の日(9159月第三月曜日)だったのかと考えるのは考えすぎでしょうか?

昭和天皇死去(1989年)の折に内閣内政審議室長は、429日を「昭和の日」にという意見もありましたが、明治天皇の誕生日が文化の日となっている等の祝日法の建前から考えて、「みどりの日」にしたと答弁しています。 昭和の印象として、国民の認識は一様でなく、天皇死去の年の世論調査では「太平洋戦争」「原爆投下」「敗戦」が3大事件としてあがっています。「みどりの日」との命名があったとき私などはうまい名前をつけたものと感心したものです。

 「昭和の日」制定は憲法の国民主権、平和、民主主義の原則を踏みにじるものであり、靖国神社、歴史教科書問題など、戦争を肯定・美化する動きと軌をおなじくするものです。

 しかも、審議はわずか1時間。本会議は討論もなくたった数分間で法案が通過しました。

これが2大政党化の断面であります。

歴史問題でアジア諸国から厳しい目が注がれている今、祝日法とその選定基準にも反し歴史の流れにも逆行する「昭和の日」法案。
 条改悪の動きと憲法改悪と連動しているとしか考えられません
 発効まで年、このまま強行するなら禍根を残すことになります。


◆どこまで冷たいのか
!!この国の政策

障害者自立支援法案が国会に提出されています。

 福祉サービスの利用者負担は、所得に応じた「応能負担」から一割の定率負担を導入しています。
定率負担は「応能負担」から「応益負担」にサービス利用料に応じて負担が増えていくもので、障害が重い人ほどサービスの利用量が多くなるのでより重い負担となります。

障害者の多くが月10万円未満の収入であり、車での移動だけでも月数万円の支出を余儀なくされています。
 厚生労働省の試算でも、平均的負担増は、ホームヘルプサービス約1千円から4千円、通所施設一割の自己負担から、食費の自己負担が加わり1千円から19千円
 大幅な負担増は、生きていくうえでの欠かせないサービスや医療を抑制する事態を招きかねません。自立と社会参加のためには、ハンディキャップを補うためのサービス利用が不可欠です。

法案はまた、障害者本人が無収入であっても、家族に収入があれば負担があがる「世帯所得」を導入しようとしています。年老いた親の年金からも費用を取ろうというもので、自立を阻害する応益負担や自己負担増大はやめるべきです。

自立支援をいうなら、所得保障をはじめサービスの基盤整備の拡充など、障害者施設の抜本的な充実と関係予算の増額こそが必要です。
 「財政抑制」を基調に、負担増総額690億円を障害者と家族に押し付けようとしているこの法案は慎重に論議をする必要があります。

05.04.16 しんぶん「赤旗」主張から

憲法問題Q&A (しんぶん赤旗より)

 今回から憲法問題について日本共産党の見解を掲載します。
 憲法の改定論が自民党・公明党、民主党からでてきています。改憲派の主張をどうみたらいいのか、改憲論のどこが問題かなどの疑問に答える「憲法問題Q&A」が「しんぶん赤旗」に連載されています。私たちはこの「憲法問題Q&A」を用いてみなさんの疑問に答えていきたいと思います。

Q.自民党や民主党は、九条一項は改憲しても残すと盛んにいいます。二項だけを変えて「自衛隊」の存在を明記するという議論だと聞きます。二項を変えるとどうなるのでしょうか。

A.九条一項は「戦争放棄」です。九条二項は「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」としています。実際には、政府は九条二項をふみにじって自衛隊を創設しました。世界第二位の軍事費をもつまでに至り、海外にも送り込んでいます。
 
九条二項こそ武力行使の「歯止め」
 しかし、それでも九条二項のおかげで、政府は自衛隊を公には「軍隊」と呼べないできました。
 
「軍隊」ではないため、海外に派兵しても「武力行使はしません」と言い訳しなければなりませんでした。
こうした言い訳なしに、大手をふって海外で武力行使をしたいというのが憲法改悪の最大の狙いです。
 
 国連憲章は戦争の違法化を徹底しながら、五一条で例外的に自衛のための武力行使(個別的自衛権、集団的自衛権)を認めているため、軍隊を保有していれば、個別的であろうと集団的であろうと、自衛権行使のために使うことが可能になります。そうすれば、「集団的」という口実で、アメリカの行う戦争に堂々と参戦できるという計算なのです。
 
海外で武力行使は少数
 ですから、九条二項を守るかどうかは、いま憲法改悪の策動を阻止する焦点の一つになっているのです。世論調査でも「自衛隊の現状は認めてもいい」と思っている人でも、「海外で武力行使してもいい」と考える人は少数です。

Q.国民投票法案の何が問題なの?

A.憲法96条は、憲法改定に二つの要件をもうけています。一つは国会で総議員の三分の二以上の賛成で改憲を発議すること。もう一つが、国民の直接投票で過半数の支持を得ることです
  後者に対応するのが国民投票法案です。自民・民主・公明の各党は、憲法に規定があるのに法律がないのはおかしいといっています。しかし、国民の多くは憲法制定以来約60年、改憲を求めてこなかったのですから、手続き法がなくても、一部の改憲派は困ったかもしれませんが、国民の権利が侵害されるということはありませんでした。

国民投票法案を提出しようとしている動機は、憲法九条を取り払うこと
 なにより問題なのは、いま国民投票法案を提出しようとしている動機が、憲法九条を取り払う改憲をすすめるためのものだということです。自衛隊を「軍として明確に位置付ける」ことや、海外での武力行使を可能にする集団的自衛権行使の容認などです。九条改悪は、アメリカの仕掛ける先制攻撃の戦争に参加するのが狙い。アメリカ政府から求められています。
 日本共産党は、九条改悪のための手続き法案は提出そのものが容認できないと表明しています。

改悪が通りやすい仕掛け
 自民・公明の国民投票法案「骨子」には、「戦争する国」づくりのための改憲案を通りやすくするための仕掛けがいくつもあります。一つは、改憲項目が複数にわたる場合、それを一括して投票させるか、項目ごとに投票させるかという問題です。「骨子」は、投票方式は「発議の際に別に定める法律の規定による」と先送りし、一括方式に可能性を残しています。実際には政府がつくる政令で決めてしまう可能性さえあります。仮に一括方式での投票になれば、九条改悪には反対でも、ほかのところには賛成だとして「○」をつける人がいるかもしれません。実は改憲派のねらいは、ここにあるといわなければなりません。とくに改憲派が国民を改憲論議にまきこむために環境権などの「新しい人種」などを強調しているだけに、警戒が必要です。

 二つめに、「改正」案承認のハードルを極端に低くしていることです。「骨子」は、有権者を国政選挙と同じ20歳以上としています。18歳選挙権が世界の流れになっているとき、憲法改正という重大問題で有権者を狭く限定するのは道理がありません。さらに重大なのは、「国民の過半数の賛成」という憲法規定を「有効投票総数の二分の一超」としていることです。「国民の過半数の賛成」は、有権者の過半数、投票総数の過半数との解釈もあります。有効投票総数の過半数は一番低いハードル。投票所にいって投票しても「無効票」になればその人の意思は除かれることになります。抗議の「白票」も、迷いの「白票」も無意味になるのです。国政選挙の投票率さえ低下している現在、低い投票率のまま、有効投票の過半数で国の基本法が決まるとなれば、法的な安定性も損なわれます。

投票運動・報道に強い規制
 自民・公明の「骨子」は、本来最大限の自由が保障されるべき投票運動にさまざまな規制を課しています。一つは、公務員や教育者の「地位利用による国民投票運動の禁止」です。教師が教育の自由、学問の自由に基づいて現憲法の先駆性を語っても「地位利用」だとして規制されかねないのです。
 外国人は全面的に運動が禁止されています。もう一つは、新聞、雑誌、放送への規制です。
 「骨子」は国民投票の予想の公表禁止をはじめ、「虚偽報道」の禁止、供応や利益の提供などによる報道・評論の禁止などを列挙しています。しかも、「国民投票の結果に影響を及ぼす目的をもって」なされるものが対象ですから、その規制は広範囲に及びます。

 一国の基本法である憲法を変えるのかどうかの大問題は、国民のなかでの議論をおおいに起こしてこそ民主主義のはずです。「あれもダメ、これもダメ」式に規制・抑圧するやり方しか提案できないのは、改憲派のめざす憲法改悪の目標が、言論・表現の自由が保障されない、「戦争する国」づくりだからです。

消費税あれこれ

      Q:「大企業は消費税を払ってないのと同じ」だというのは本当でしょうか

  A:大企業でも物やサービスを買えば当然消費税を払います。しかし、その時は消費税を払ったとしても、最終的には大企業自身の負担になりません。

            下図の企業例を参考にしてください
                 大企業は消費税を払っていないのと同じです。      

中小零細企業の場合には、大企業との価格競争の中で、販売価格に上乗せできない場合や、納入先の大企業から「消費税分をまけろ」と納入価格の引き下げを迫られ、消費税を受け取れない場合があります。

大企業は基本的にこういうことはありませんから、消費税は負担しません。
 財界・大企業が消費税の増税を主張するのは負担を転嫁できる税であるということが理由の一つです。
  庶民を苦しめるだけの消費税増税には反対しましょう。


変わる産業医 (日本経済新聞より要約)
 最近、シオノギでも健康診断が実施され、問診時に医師の方から健康状態や日常生活、仕事等について、今までよりさらに深い質問やアドバイスが行われるようになりました。このように企業や産業医がメンタルヘルスの取り組みを本格化させる転機となったのは、2000年の電通社員の過労自殺訴訟で、最高裁が過度の心理的負担などで社員が健康を損なわないよう、使用者には「注意する義務がある」と判断したことによります。心の病の深刻さと早期発見の重要性が、改めてクローズアップされ、旧厚生省が「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針(メンタルヘルスケア)指針」を策定し、精神的な悩みを自己管理する「セルフケア」に加え、周囲が兆候をとらえ組織で予防する「ラインケア」を盛り込んだためです。
 企業で組織的に取り組んでいるところを挙げますと、

・日本生命保険
 自らが病気の予兆を発見できるようなホームページを開設。管理者教育用のページを作成。

・旭化成
 医師と栄養士の二人三脚で、生活習慣病を患う社員らの食事指導にあたっている。
 検診で血圧や血糖値が高かった社員は健康管理室に呼び出し、書面で一方的に結果を通知するのではなく、検査値ごとに努力目標を設定、ほぼ一ヶ月ごとに血液検査などを実施、改善具合をチェックする。

・帝人
 歩数計をつけて歩数を競う「健康ウォーキング」イベントに取り組んでいる。
 (シオノギでも健康ウォーキングは取り組んでいる)
 「健康経営」や「ヘルシーカンパニー」という言葉が登場し、社員の健康増進は企業の社会的責 任(CSR)という考えが浸透しつつある。

・富士ゼロックス
 10人の産業医は、年1回手分けをして全国約300の拠点を巡回。
 健康診断の結果から生活上の注意点などを指導するほか、勤務の状態や悩みごとがあるかどうか などを質問。
 心の問題も含めて社員一人ひとりが健康かどうかを診断する。

 企業で社員の健康管理にあたる産業医の仕事が大きく変わってきました。高血圧や糖尿病などの生活習慣病や、うつに代表される心の病に悩む社員が増え、個々の社員にきめ細かい対応の必要性が生じているからです。

 NECでは現在約550人いる該当者には、このままの生活を続けると突然死を招く危険性があることを産業医が説明、残業時間の制限などを指導しています。

 去年、摂津工場で亡くなった彼は残業時間の制限を受けていませんでした。もし、シオノギでも組織で予防する「ラインケア」に取り組んでいたら、彼は自ら命を絶たずに済んだかもしれません。
シオノギでの取り組みが急がれます。

産業医の主な職務
メンタルヘルスケア 健康教育
●ストレス対策、ストレス関連疾患に
 関する助言・指導
●生活習慣病予防に関する健康教育や担当  者の育成
●長時間労働者への面接指導 ●過重労働による健康障害についての教育
●うつ病を含めた精神疾患に関する療養
 指導など
●喫煙についての教育

健康障害の原因調査と再発防止対策 健康診断結果で就業制限など意見を提示 IT化に対応した健康管理システム構築 過重労働による健康障害防止へ会社を指導


「成果主義」賃金は本当に能力に応じて支払われているか        

 

  「成果主義」賃金は成果(実績)を評価して決めるといわれていますが、本当に労働者各人の「成果の評価」が公正におこなわれているでしょうか。・・・いいえ、NOです。
    
        評価にゆがみが出る理由
1.労働者各人の「成果の評価」が極めて困難であること。
  一般的に考えると、「潜在的な力」・「これから発揮される力」である能力よりも、「能力が発揮された結果」の方が公正な評価が期待できそうな気がします。しかし、労働現場では、なんらかのグループ作業が行われており、グループ内の一人ひとりの成果を公正に評価することは、技術的にも困難です。

2.女性差別
  女性であるがゆえに、成果があがっていても「上のポスト」に配属されない、あるいは賃金が低いなど、成果主義という名で、差別が巧妙に隠され、かえって差別がエスカレートします。企業が労働者を支配するのには、これらの差別を利用します。

        「成果主義」賃金導入の“ねらい”はなにか
1.人件費を大幅に削減すること
  「グローバリゼーション」を誇大に宣伝し、競争力強化を口実に、大幅なコストダウンが不可欠だとし、それを人件費削減においています。

2.賃金決定を個別化すること(労働者どうしの競争をあおる)
  「成果主義」賃金の賃金体系を通じて賃金決定を個別化し、企業が一方的に賃金を決めていく。(勤続年数・年齢という賃金形態をなくしていく)
 この結果、労働者どうしの競争をあおり、労働効率のアップと労働者の分断を図るというねらいがあります。

3.労働力流動化の促進
  企業が必要とする「ハイテク労働者」などを雇い入れやすくし、同時に企業が不必要とみなしている高齢の労働者などを排除しやすくするために「成果主義」賃金など「新しい賃金体系」への変更を追及しているのです。

  以上のことから、「成果主義」賃金により働きがいがでてくるといった種類の主張はうそで、逆にそれは、低賃金・賃金差別・労働強化・雇用不安などを増幅させるものです。だからこそ企業がそれを追求しているのです。

  「成果主義」賃金導入の先駆けである富士通では、利益があがらなくなり、やむなく制度の見直しを余儀なくされたように、「成果主義」賃金の破綻が早くも明らかになり始めています。

総額7兆円もの国民負担増計画

  小泉内閣の7兆円負担増計画が、新たに家計に押しつけられようとしています。
  小泉内閣のもと、次々と負担増が国民を襲っています。2005年度と2006年度の2年間だけみても、年金課税の強化など
すでに決まっている負担増は約3兆円。 これから決めようとしている定率減税廃止などによる負担増は約4兆円。合わせて約7兆円もの負担増となります。
 
  なかでも定率減税の縮小・廃止による増税(半減で約1兆6500億円、全廃で約3兆3000億円)は、1997年に消費税を3%から5%へ引き上げ(約5兆円の増税)以来の規模です。
 
  例えば、共働き、子ども1人の3人家族、年収が480万円という世帯では、小泉内閣の下ですでに実施された負担増が年約4万4千円、今後実施予定で約2万9千円。さらに今後計画されているのが約3万6千円ですから、合計で11万円近い負担増になります。
 
  年金暮らしで、年収3百万円の高齢者夫婦の場合は、すでに実施された負担増が約6万9千円、今後実施予定が約3万2千円、計画中が約5万2千円で合計して約15万円を超える負担増になります。

  ある大手小売業のトップも、定率減税の縮小・廃止について、「今こんなことをやったら、庶民の財布のヒモがしまってしまうから反対だ」と言っていました。景気減速が鮮明になってきているだけに、さまざまな立場の人たちが定率減税の縮小・廃止にたいする批判や懸念の声をあげています。

  一方、この間の法人税はバブル期の1998年度には42%でしたが、相次いで切り下げられ、今、30%になっています。大企業は1998年度を上回る過去最高益をあげているわけですから、1998年度並に戻せば、12兆円以上の税収が生まれることになり、7兆円負担増を中止させる財源にできます。

  リストラや不況で苦しむ庶民に、さらなる痛みを求めるのではなく、有り余るお金を手にしている大企業にふさわしい負担を求めるのがまともな政治ではないでしょうか。